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ちょっといいモノ語り

子どもや家族が幸せでありますように。「傘福」に願いを込めて

3月3日は桃の節句。
東北・新潟では2月から5月にかけ、各地で雛祭りや雛めぐりなどの行事が行われます。
江戸時代、北前船交易で栄えた山形県酒田市では、歴史ある雛飾りが数多く飾られ、観光客で賑わいます。酒田の雛祭りに華やかな彩りを添えるのが「傘福」です。
華やかさは大きな魅力ですが、その奥に作り手の様々な願いが込められていました。

細工や大きさも様々な傘福が飾られた「山王くらぶ」の大広間は常春のよう。

港都・酒田には、北前船による繁栄を伝える歴史的建物が今も大切に残っています。明治28年(1895)、料亭・宇八樓うはちろうとして開業した「山王くらぶ」もそのひとつ。欄間らんまや障子など客室ごとに違う意匠いしょうを施してあり、当時の繁栄ぶりが伺えます。
2階にある三間続きの大広間が、日本三大つるし飾りのひとつ「傘福」の展示場です。外はまだ寒く、彩りの少ない季節ですが、一歩大広間に入ると、一瞬にして春が来たかのような華やかさ! 天蓋付きの大きな傘の下に、色とりどりの細工物がたくさん吊るされていて、よく見ると一つひとつ形が違います。

酒田市民のみなさんが作った干支の「ねずみ」たち。同じ細工でもみんな表情が違いますね。

「傘福は江戸時代から作られていたそうですが、当時は流行病などで亡くなる人も多かったので、女性たちが子どもの成長や家族の健康、長寿を願い、一針一針願いを込めて手作りしては神社仏閣へ奉納していたそうです。細工物それぞれにそうした願いが込められているんですよ」と話すのは酒田商工会議所女性会の会長、岩間奏子かなこさん。
例えば今年の干支「ねずみ」は「子孫繁栄」、「おくるみ人形は子どもがすくすく育つようにとの願いを込めて。他にも立身出世を願う「鯉のぼり」や美人祈願の「桜」などその種類は70〜80種にもなるそうです。

国の登録有形文化財にも指定されている「山王くらぶ」。竹久夢二もスケッチ旅行で長期滞在していたそうです。

「ところが、時代とともに作り手が減り、埋もれていました。地元の女性たちが大切にしてきた文化をなんとか残したいと、今から15年前、酒田商工会議所女性会創立25周年の記念事業として、約200名の市民のみなさんと一緒に布を持ち寄り、6,000個の飾りを手作りしました。色や形はまちまちですが、幸福や希望を託し作っており、原点に近いのかもしれませんね」と岩間さん。
復活した傘福づくりは制作部門を担う組織を立ち上げ続けられ、小・中学校では体験学習を通じてその由縁や手技を伝えるなど、次世代に残す取り組みが進められています。
「山王くらぶ」では制作体験も行なっています。ぜひ、雛めぐりの途中に立ち寄って、ご家族や友だちと一緒に、未来への思いを託し手作りしてみてはいかがでしょう。

  • 山形県酒田市日吉町2-2-25
  • 酒田商工会議所女性会  TEL.090-4317-3867
  • http://www.sakata-cci.or.jp/bwc/info.html
  • ※2020年3月1日(日)〜11月12日(木)に 「第15回湊町酒田の傘福」が開催されます。

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