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食いしんぼレシピ

「結ぶ」っていいね。フレンチレストラン「Yui」の評判料理

青森県八戸市 「そば粉のガレット」「南部太ねぎのキッシュ」

Yuiゆい」という名のレストランが青森県八戸市にあります。しかも、「仲間、お客さま、たくさんの方々との結びつきの場に」と名づけられたと知って驚きました。それは、本誌『Yui』の「人を結び、時を結び、暮らしを結ぶ」という願いと同じだったから。Yuiのオーナーで地元の食材を生かす料理を作る根市拓実ねいちたくみさん。そして料理に使う野菜を育てるのは兄の大樹ひろきさん。2人の兄弟が厨房と畑というそれぞれのステージでおいしいものを作っています。
今回は、青森県産そば粉と南部町なんぶちょうの伝統野菜「南部ふとねぎ」を使ったお店の人気メニュー。さて、どんなレシピでしょうか。

そば粉のガレット。卵黄と溶けたグリュイエールチーズをたっぷりからめていただくと、粗めのサクサクした生地が口の中で踊ります。あっという間に焼き上がる簡単でおいしいひと皿です。

そば粉のガレット。卵黄と溶けたグリュイエールチーズをたっぷりからめていただくと、粗めのサクサクした生地が口の中で踊ります。あっという間に焼き上がる簡単でおいしいひと皿です。

「“根市兄弟”とひとくくりにされることが多くて」と笑う根市拓実さん。3歳上の兄、大樹さんとは共通の知人友人が多い兄弟です。ふたりの出身地は八戸市の隣、三戸郡南部町。畑仕事をする祖父母、公務員の両親のもと、明けても暮れても公園にいる野球少年でした。
「兄は優秀で足も速かった」という拓実さん。尊敬にも似た思いは今も変わりません。兄の大樹さんは関西の芸術系の大学に進み、卒業後は地元紙の記者に。記者として農家の想いを聞くうちに、食料自給率の低さや休耕地の多さを知り、「記者をやっている場合じゃない」と農業に転身した経歴の持ち主です。
一方、弟の拓実さんが料理に目覚めたのは、子どものころの祖父母の影響といいます。南部町には、古くから栽培が続けられている「阿房宮あぼうきゅう」という食用菊があります。この菊を使って作る「菊花漬きっかづけ」は、地元で特別なときに食べられる郷土料理で、伸のした菊のり(干し菊)で野菜を巻く漬物です。「菊のりづくりのいい香りに誘われて祖父母の手伝いをしました。おかげで、土地に根付いている食文化や行事に慣れ親しみながら育ちました」。

「わあ!」という声が食卓で上がること間違いなし。ふんだんに南部太ねぎが入ったボリュームあるキッシュ。ねぎに限らず、キノコなどとも相性がよく、応用自在なレシピです。

「わあ!」という声が食卓で上がること間違いなし。ふんだんに南部太ねぎが入ったボリュームあるキッシュ。ねぎに限らず、キノコなどとも相性がよく、応用自在なレシピです。

かくして、漬物と和食を学びたいと京都の調理師専門学校に進みます。そこでフランス人シェフが作る家庭料理を味わったことから、フレンチの道へ。北海道のホテルやレストランで実績を積み、店長も務めました。 そんなふたり、「自分たちで何かできないか。いい野菜を使った料理を食べてもらい、そのおいしさに気づいてもらおう。そう意識して仕事をすれば、きっと農業をやりたいと思う人も掘り起こせるのでは」と、言い交わしたのは2010年大晦日のこと。想いを込めて店名を「農風Kitchen Yui」に決め、翌年レストランを立ち上げました。
お店では、お兄さんが営む農園をはじめ、八戸市近郊の農家から仕入れた野菜を中心に使っています。拓実さん自らも「この人の野菜でなければ」という食材を探して歩き回るそう。
今回教えていただくガレットは、県産そば粉の生地に、肉やチーズ、卵やサラダをのせた、フランスブルターニュ地方の郷土料理。この日は近隣の「佐助豚さすけぶた」を使って拓実さんが作った自家製ハムと卵、自家菜園から摘み取ってきた西洋野菜チコリフリーゼやトレビスなどで彩りよく仕上げます。外側はパリッと、かめばもちもちした食感で、シャキッとした野菜、卵とチーズの風味も相性バッチリ。

「大切にしているのは食材の季節ごとの風味や香り。農家さんが丹精込めてつくられた野菜と、それを召し上がるお客さまを結ぶ橋渡し役でありたい」。フランスの家庭料理を気軽に楽しめる店「農風Kitchen Yui」のオーナーシェフ、根市拓実さん。

「大切にしているのは食材の季節ごとの風味や香り。農家さんが丹精込めてつくられた野菜と、それを召し上がるお客さまを結ぶ橋渡し役でありたい」。フランスの家庭料理を気軽に楽しめる店「農風Kitchen Yui」のオーナーシェフ、根市拓実さん。

もう一品は、南部町の伝統野菜「南部太ねぎ」を使ったキッシュ。昭和40年代、県南一帯で広く栽培されていた「南部太ねぎ」は、栽培農家が減少し、絶滅寸前でした。この途絶えかけていた伝統野菜は、地元の県立名久井なくい農業高校の生徒と大樹さんが所属する「NPO法人青森なんぶの達者村」によって復活を遂げ、今も大切に守り育てられています。
「太ねぎは、ポロネギと下仁田しもにたネギを合わせたような風味で、フレンチにむいています」と、拓実さん。キッシュはこんがり熱々、ねぎは甘くて柔らかくチーズと良くあって満足感たっぷり。2品とも作りやすいので、3月のひな祭り、4月の入園、入学式など、いつもと違うメニューを作りたいときに試してみてください。
目が回るほど忙しい拓実さんですが、疲れよりもやりがいが勝る毎日です。この号が出るころには「八戸ブイヤベースフェスタ※」に参加しています。「スープを極める」をテーマに、「2度おいしい」がフェスタのルール。
「奇抜なものではなく、基本に忠実なブイヤベースになりそうです」と結んでくれました。
南部太ねぎをはじめ、野菜や果実、魚介もふんだんの土地柄。根市兄弟は、その土地にある独特の味を見つけ、おいしい料理にすることで、土地の人や風土、文化も伝えようとしています。

今回のレシピ

そば粉のガレット(4人分)

そば粉
200g
無塩バター
20g
2個
牛乳
120cc
280cc
小さじ½
トッピング
4個
ハム
12切れ
グリュイエールチーズ
20g
※とろけるタイプのチーズで代用可。
黒コショウ
お好み
サラダ(旬の野菜など)
適宜
トマト
適宜
ドレッシング
ピュアオリーブオイル
60cc
赤ワインビネガー
大さじ½
練りマスタード
小さじ1
小さじ⅓
白コショウ
適宜
ハーブ(エストラゴンなど)
適宜
1.ボウルにそば粉と溶き卵、塩を入れ合わせる。溶かしバター、牛乳、水を加えて混ぜる。ダマになりやすいので、水は3回くらいに分けて入れるのがポイント。生地は半日以上寝かせる。
2.フライパンを熱してサラダ油をひき、生地をお玉1杯分弱流す。ゆるめの生地なのでフライパンを傾けて生地を流し中火で焼く。
3.表面が乾いたら、卵を割り入れる。「卵白をはさみで切ると火が通りやすい」とシェフの技。ハムをのせ、グリュイエールチーズをたっぷり削りかける。
4.生地の縁がカリッとしてきたら四方を折りたたむ。卵白に火が通ったら火からおろす。野菜やトマトをトッピングし、材料を混ぜておいたドレッシングや黒コショウをかけて完成。

南部太ねぎのキッシュ
(5〜6人分、26cmのタルト型)

生地
中力粉
110g
※強力粉と薄力粉を各55gでも代用可。
無塩バター
50g
1個
砂糖
小さじ1
少々
具材
南部太ねぎ
150g
※長ねぎで代用可。
ピュアオリーブオイル
適宜
※風味に主張がない、精製されたオリーブオイル(ピュアオリーブオイル)がおすすめ。
卵液
3個
牛乳
160cc
生クリーム
80cc
パルメザンチーズ
30g
小さじ¼
白コショウ
少々
ナツメグ
少々
  • 生地の材料(卵を除く)をフードプロセッサーで粉状にしたら、溶き卵を加える。
  • 生地を冷蔵庫で2〜3時間寝かせる。タルト型に生地を敷いて寝かせると焼き縮みが少なくなる。生地の底に軽くフォークで穴をあける。
  • 太ねぎを約1cmの長さに切り、薄くオリーブオイルを塗ったフライパンで、しんなり焼き色がつくまで炒め、冷ます。
  • 2のタルト生地にクッキングシートを敷き重しをのせ、180度に予熱したオーブンで10分焼く。温度を170度に下げ30〜40分下焼きする。
    ※タルトストーン(無い場合は生米や小豆を載せて代用)。
  • クッキングシートと重しをはずし、生地の表面に刷毛で卵黄(材料外:卵黄1個分を水大さじ1で溶く)を塗り、170度で10分焼く
  • 卵液を作る。
  • 5に焼いたねぎを敷きつめ、卵液を注ぐ。卵液は少し残しておくのがポイント。
  • オーブンに入れ、180度で10分焼く。残りの卵液を流し入れ170度で40〜50分焼くと平らに焼き上がる。焼き色がついたら完成。
香代さんが投稿してくれた
記事はこちら

Yui×Instagramのサポーターさんが取材に参加してくれました

今回、「食いしんぼレシピ」の取材に参加してくださったのは、青森県にお住まいの読者、香代さん・大生さん親子。写真を撮るのが大好きな香代さんは、Yui×Instagramフォトコンテストで入賞され、SNSサポーターとしてもご協力いただきました。「普段何気なく読んでいる記事ですが、いかにして読み手に伝えるのか。スタッフがそれぞれの役割を果たし、最終的に一つのものが出来上がる。その瞬間に立ち会えたことは、私たち親子にとって大変貴重な経験となりました。お料理もおいしく、シェフの優しいお人柄にも触れることができ感激です」と香代さんは笑顔で話してくれました。

  • 農風Kitchen Yui
  • 青森県八戸市番町25 MOTOBLD1F TEL.0178-44-3035
  • 営業時間 Lunch 11:30〜13:30(L.O.)、Dinner 17:30〜21:00(L.O.)
  • 定休日 日曜日・第3月曜日 水曜日はDinnerのみ営業
  • http://kitchenyui.info/

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